用途変更とは建物の用途を変更することです。例えば事務所を図書館へ変更するといった具合です。用途変更は建築基準法に準拠していれば、100㎡以内は建築確認申請が不要なのです。しかし、ごくごく稀に開いている落とし穴にご注意。
特殊建築物への用途変更
特殊建築物とは、ウィキペディアを参考にしてほしいのですが、特殊という言葉とは裏腹によく見かける建築物のことです。用途変更をして、この特殊建築物へと使用用途を変更する時、100㎡を超えてしまうと建築確認申請が必要となります。飲食店等も特殊建築物に含まれるので、意外と身近な話なのです。
逆に言うと100㎡を超えなければ、建築確認申請が要らないのですが、上にも書いたように建築基準法は守らないといけません。ただ、建築確認申請に伴う費用と手間を考えると負担が少なくなるのは確かです。
都市計画法に要注意!
特殊建築物に用途変更するが、100㎡以内に抑えるので建築確認申請は必要ないと安心していると、こんなケースに足元をすくわれます。それは都市計画法の開発の許可を必要とされていた建築物です。
開発の許可は、定められた区域のある程度の規模の敷地をもつ建築物を新築する際に求められるです。除外規定はありますが、原則として市街化調整区域では敷地の規模に関係なく開発許可を求められ、建築物の用途を変更する場合は再度の許可を必要とします。
また市街化調整区域では、建築物の用途に厳しい制限あるので、用途によっては許可を得られません。
例として、ここで示される非線引き都市計画区域で開発許可を受けた工場が、数年後に線引きされて市街化調整区域になってしまいました。線引き後も同じ工場のままなら問題なく、増築も認められるのですが、いざ建築物の一部分の用途変更をしようとした場合に問題が発生しました。新しい部分の用途が市街化調整区域で建築可能なものだとしても、工場として開発許可を受けているので用途変更はできず、再度開発許可を申請しても、今度は既存部分の工場が許可にならいのです。
建築確認申請が不要であることで、この開発許可を見過ごすと、工事が完了した後に違法ですという事態になってしまいます。
実は上記の工場の例は私たちが経験したもので、計画が途中まで進んだ段階で気付き、頓挫させてしまいました。その時の関係者の皆様には本当に申し訳なく思っております。苦い失敗の経験ですが、懺悔として書かせていただきました。