認定こども園と都市計画法

幼稚園、保育所から認定こども園へと移行する施設の数が着実に増加しています。私たちの事務所も認定こども園への移行のため、建物の増築等のお話をいただくことがあります。今回は認定こども園への移行を考えている方や、既に以降済みの園の関係者の方へ、都市計画法との絡みで注意点がありますので書かせていただきます。

 

市街化調整区域に注意!

市街化調整区域とは、非常に簡単に言うと、商業施設や工場をバンバン建ててほしくない区域のことです。この市街化調整区域では、建てても良い建築物の用途が限定されています。幼稚園や保育園は建築できることになっているのですが、基本的にこの地域に建物を建てるために土地を改良する場合は開発許可が必要になります。

既に幼稚園や保育所が建っているのであれば、

  1. 開発許可を得ている
  2. 市街化調整区域となる前からその場所に存在している
  3. 平成18年の都市計画法改正以前に建設した

のいずれかだと考えられます。

注意していただきたいのは、ご想像の通り2と3に該当し、幼稚園や保育園から認定こども園への移行する、或いは既に移行した園です。

 

用途が変わる?

既に移行が完了した園にも関係するの?

と、疑問を持たれるかもしれませんが、認定こども園への移行をする時に、増改築(建築確認申請が必要な)をしていなければ、何事もなく移行できます。

しかし、今後、建築確認申請が必要な増改築を行おうとすると、都市計画法上の用途変更に該当してしまう可能性があります。建物を違う種類の用途へと変更する場合は、開発許可が必要になのですが、現在は用途が変わっていることに誰も気づいていないため、開発の許可をされずに放置されている状態なわけです。

 

行政に確認を

都市計画法では、幼稚園と保育所は違う種類の用途として記載されています。そして認定こども園は、どちらの用途に含まれるか記載されていません。認定こども園の型によって行政が判断するというのが現状なのです。

上記の2と3に該当している施設を認定こども園に移行するのであれば、都市計画法の用途変更に該当するのかを確認してください。

施設の性質上、増改築を行うのであれば、年度末に確実に工事が終わっていることが求められると思います。しかし開発許可がなければ、建築確認申請を行えず、工事の着工もできないのです。着工が遅れて完成が間に合わないなんて、考えただけでもぞっとします。

開発許可にはそれなりの費用と時間がかかるので、早めの対応が肝要だと思います。